
泣ける…!完結済み短編マンガ10選|心を揺さぶる名作たち
忙しい日々の中で、たまには心が震えるような物語に浸りたくなる。
今回は、完結済みで一気読みできる「泣ける短編マンガ」を10作品厳選。
恋愛、家族、命…それぞれのテーマが深く胸に刺さります。
読後、思わず涙がこぼれるような名作ばかり。
ぜひあなたの"次に読む1冊"を見つけてください。
涙腺崩壊必至!完結済み泣けるマンガの魅力
マンガの魅力の一つに「感情移入のしやすさ」があります。絵と言葉が織りなすストーリーは、私たちの心に深く響き、時に涙を誘います。しかし長編作品だと、完結まで待てない、あるいは途中で読むのをやめてしまうことも…。
そこで今回は、すでに完結している「泣ける短編マンガ」に焦点を当てました。全て10巻以内で完結しており、一気読みが可能な作品ばかりです。休日に没頭するもよし、毎晩少しずつ楽しむもよし。あなたのペースで読める名作揃いです。
なぜ「泣ける」作品を選んだのか?それは、感情を揺さぶられる体験が、私たちの心を豊かにしてくれるから。日常では表現しきれない感情を、マンガという媒体を通して解放することで、心がスッキリすることもあります。
読み終わった後の「いい作品に出会えた」という充実感も、泣けるマンガならではの醍醐味でしょう。それでは、厳選した10作品をご紹介します。
1. 最終兵器彼女(全7巻)
ジャンル:SF・恋愛・戦争
高橋しん先生が描く、戦争と恋愛が交錯する、儚くも壮絶な青春物語。北海道の高校生・シュウジと、兵器として改造された少女・ちせの愛の行方を描いています。
「世界の終わり」という壮大な背景の中で、一人の少年と少女の純愛が描かれる本作。ちせの「しうじが好き」というシンプルな言葉と、それに対するシュウジの複雑な感情が、読者の心を深く揺さぶります。
戦争の無常さと、それでも芽生える愛の尊さ。「何もできない」という無力感と、「それでも愛している」という強さが同居する物語は、読む人の年齢や経験によっても感じ方が変わる奥深さを持っています。
アニメ化もされた本作ですが、漫画ならではの余韻と静けさが、より深い感動を呼び起こすでしょう。最後のページをめくった後も、長く心に残る傑作です。
2. かくかくしかじか(全5巻)
ジャンル:自伝・青春・成長
人気漫画家・東村アキコが自身の青春と恩師との日々を描いた自伝的作品。笑えて泣ける、人生賛歌のような一作です。
高校時代に漫画研究部に入部した主人公・林田球(はやしだ まり)の成長と、彼女を導く顧問の先生・河野先生との交流を軸に物語が展開します。球が漫画家を目指し、挫折と再生を繰り返しながら成長していく姿は、夢を持つすべての人の心を打ちます。
特に印象的なのは、河野先生との関係性。厳しくも優しく、時に生徒の人生に深く関わる教師の姿は、多くの読者の胸を熱くするでしょう。「伝えたい想い」を伝えることの大切さ、そして時に伝えられなかった後悔も赤裸々に描かれています。
実話ベースだからこそリアルで、人間臭くて、そして勇気をくれる作品。ドラマ化もされた本作は、夢を追いかける全ての人に読んでほしい一冊です。
3. orange(全6巻)
ジャンル:青春・タイムリープ・友情
未来の自分から届いた手紙—。高校生の菜穂が、同級生・翔の"未来"を変えようと奔走するタイムリープ×青春ストーリーです。
ある春の日、高校2年生の高宮菜穂のもとに「10年後の自分」から手紙が届きます。手紙には「成島翔を救って」と書かれていました。転校生の翔は、菜穂たちの仲間に加わりますが、10年後の手紙によると、彼はこの先自ら命を絶ってしまうと…。
菜穂は手紙の指示に従いながら、翔の運命を変えようと必死になります。しかし、物事はそう簡単には進まず、菜穂自身も翔への想いに気づいていきます。後悔と希望の狭間で揺れる切なさ、そして友情の尊さが、読者の涙腺を刺激します。
「もし過去に戻れるなら、何を変えたいか」という普遍的なテーマを、繊細なタッチで描き出した本作。映画化・アニメ化もされた人気作であり、青春時代に戻りたいと思う全ての大人にも響く作品です。
4. ハチミツとクローバー(全10巻)/羽海野チカ
ジャンル:青春・恋愛・芸術
羽海野チカ先生が描く、美大生たちの淡い恋と夢、友情を描いた群像劇。全10巻の中に、青春の輝きと切なさが凝縮されています。
主人公の竹本祐太を中心に、花本はぐみ、真山巧、森田忍、山田あゆみの5人が織りなす複雑な感情の交差が物語の核心です。片思いの連鎖、報われない想い、それでも一緒にいたい気持ち—。美大という特殊な環境の中で育まれる彼らの感情は、誰もが一度は経験したことのある普遍的な「青春の痛み」です。
特に印象的なのは、キャラクターたちの「成長」。恋に悩み、夢に悩み、将来に悩みながらも、少しずつ前に進んでいく姿に、読者は自分自身を重ね合わせるでしょう。「全てが順調ではないけれど、それでも歩き続ける」という姿勢が、胸を打ちます。
本作の魅力の一つに、「才能」との向き合い方があります。天才的な才能を持つ花本はぐみと、努力で才能を補おうとする竹本祐太。その対比を通して「才能とは何か」「作品を作るとはどういうことか」という根源的な問いを投げかけています。
羽海野チカ先生の繊細なタッチと心理描写は、登場人物たちの微妙な感情の機微を表現するのに最適です。特に学生時代特有の「何もかもが不確かで、それでいて全てが鮮やか」という感覚を見事に捉えています。
2005年にはアニメ化、2006年には実写ドラマ化もされた名作です。
5. 町田くんの世界(全7巻)/安藤ゆき
ジャンル:青春・ヒューマンドラマ・学園
「不器用だけど、誰よりも人を大切にする」町田くん。安藤ゆき先生が描く、周囲を変えていく優しさとまっすぐさが、心に沁みる作品です。
町田浩介は、どんな人にも優しく、真っ直ぐに接する高校生。彼の周りには、様々な悩みや問題を抱えた人々が集まり、彼の「優しさ」に触れることで少しずつ変わっていきます。一見すると「いい人」の物語に思えますが、本作の素晴らしさは、町田くん自身の成長も丁寧に描かれている点です。
彼の「全ての人を大切にしたい」という想いは、時に周囲を困らせることもあります。しかし、彼自身も人との関わりの中で学び、成長していく姿が、読者の共感を呼びます。完璧ではない「英雄」の姿こそが、本作最大の魅力でしょう。
本作では、様々な家庭環境や過去のトラウマから心を閉ざした登場人物たちが、町田くんとの出会いによって少しずつ変化していく様子が描かれています。「人は変われる」「他者との繋がりが人を救う」というメッセージが、読者の心を温かくします。
特に、町田くんの「人を大切にする」という姿勢の背景にある、彼自身の過去と家族との絆の描写が秀逸です。彼がなぜこれほどまでに「人」を大切にするのか、その理由が明らかになるにつれ、読者はより彼に共感することでしょう。
2019年に実写映画化もされた人気作です。
6. 聲の形(全7巻)/大今良時
ジャンル:青春・ヒューマンドラマ・学園
大今良時先生が描く、いじめる側だった少年と、聴覚障害のある少女の再会と贖罪の物語。過去の過ちと向き合い、人とのつながりを取り戻していく過程が胸に迫ります。
小学生時代、転校してきた聴覚障害のある少女・西宮硝子をいじめていた主人公の石田将也。時が経ち、高校生になった彼は、自らの罪と向き合うため、硝子に再会を果たします。しかし、過去のトラウマを抱える二人の交流は、簡単には進みません。
本作の大きなテーマは「コミュニケーション」。言葉だけではない、人と人とのつながり方の難しさと尊さが描かれています。自分を赦せない将也と、周囲との壁を作ってしまった硝子。二人が少しずつ心を開いていく過程は、読者の涙腺を刺激します。
「いじめ」という現象を多角的に描いている点も本作の特徴です。いじめる側、いじめられる側だけでなく、傍観者の心理や教師の対応など、様々な視点から「いじめ」という問題に切り込んでいます。それにより、単純な善悪二元論ではない、複雑な人間関係の機微が浮かび上がります。
2016年に京都アニメーション制作で映画化され大ヒットを記録した傑作です。
7. うさぎドロップ(全10巻)/宇仁田ゆみ
ジャンル:日常・育児・家族
宇仁田ゆみ先生が描く、独身男性が突然、幼い女の子の"育ての親"になる物語。戸惑いながらも成長していく"父娘"の絆に、読者も涙腺崩壊必至です。
祖父の葬式で出会った6歳の少女・りん。彼女が実は祖父の隠し子だと判明し、誰も引き取り手がいない中、30歳独身の主人公・河地大吉が育てることになります。育児のイロハも知らない大吉が、日々りんと向き合い、共に成長していく姿は、胸を打ちます。
本作の魅力は、特別なドラマチックな展開がなくとも、日常の些細な出来事の中に感動が詰まっていること。保育園入園の準備や夜泣き、発熱時の対応など、育児の「普通の大変さ」が生々しく描かれながらも、りんの存在が大吉の人生に与える影響の大きさが伝わってきます。
また、大吉を支える周囲の人々の存在も印象的です。隣人の若いシングルマザー・小鳥、大吉の同僚、りんの保育園の友達の親など、様々な「家族の形」が描かれており、血縁関係だけが家族ではないことを教えてくれます。
2011年にはアニメ化、実写映画化もされた人気作です。
8. 式の前日(全1巻)/穂積
ジャンル:短編集・恋愛・人間ドラマ
短編の名手・穂積先生が贈る、結婚式前日のカップルや家族の想いを描く珠玉の1冊。どの話にも"愛する人との時間の尊さ"が流れている感動作です。
タイトル通り、結婚式の前日という特別な時間を切り取った短編集。新郎新婦はもちろん、両親や親族、友人など、様々な立場から「結婚」という節目を描いています。喜びだけでなく、不安や寂しさ、過去との決別など、複雑な感情が丁寧に描かれており、読者の心に沁みます。
特に印象的なのは、「愛する人との別れ」を迎える話。残された時間が限られているからこそ、その尊さを実感する人々の姿は、読者の涙腺を刺激せずにはいられません。少ないページ数の中に、人生の機微が詰まっている短編集の傑作です。
穂積先生の繊細なタッチと、心情描写の巧みさが光る本作。わずか1巻で心を震わせる名作です。
9. タコピーの原罪(全2巻)/鎌谷悠希
ジャンル:SF・人間ドラマ・社会派
鎌谷悠希先生が描く、地球にやってきたハッピー星人・タコピーと、傷ついた少女の物語。かわいい見た目とは裏腹に、重いテーマと衝撃の展開で話題となった作品です。
「みんなをハッピーにしたい」という使命を持つタコピーは、家庭内暴力に苦しむ少女・ルカと出会います。ルカを助けたいタコピーは、自身の特殊能力を使い、様々なアプローチを試みますが…。
一見かわいいキャラクターと設定ながら、家庭内暴力や虐待、救済と報復、善悪の境界など、重いテーマを扱う本作。「正義とは何か」「幸せとは何か」という問いに、明確な答えを示さないまま読者に考えさせる構成は、読後も長く心に残ります。
2021年に連載され、SNSで爆発的に話題となった新鋭作家の衝撃作。わずか2巻という短さながら、その衝撃と余韻は他の作品の比ではありません。
10. あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(全3巻)/泉田陽一(原作:超平和バスターズ)
ジャンル:青春・友情・成長
幼なじみの"死"をきっかけに止まったままの時間が、再び動き出す。切なくてあたたかい"再生"の物語。アニメで涙した人にも、漫画版でぜひもう一度味わってほしい作品です。
本作は2011年に放送されたアニメが原作で、その後コミカライズされた作品です。幼い頃に亡くなった幼なじみ・めんまの「お願い」を叶えるため、離れ離れになっていた仲間たちが再び集まる物語が描かれています。
「喪失」「成長」「贖罪」といったテーマを中心に、過去のトラウマと向き合い、前に進もうとする若者たちの姿が丁寧に描かれています。特に、それぞれが抱える「めんま」への想いや後悔が複雑に絡み合い、読者の涙腺を刺激します。
アニメ版で知られる名シーンはもちろん、コミカライズならではの表現も随所に見られ、アニメを知っている人も知らない人も楽しめる内容になっています。友情と青春の儚さ、そして「さよなら」の意味を教えてくれる感動作です。
まとめ:あなたの心を揺さぶる1冊に出会おう
以上、泣ける完結済み短編マンガ10選をご紹介しました。どの作品も、単なる「悲しい話」ではなく、読了後に何かを考えさせてくれる深い内容ばかりです。
仕事や学校で疲れた心を癒したいとき、人生に迷ったとき、誰かの気持ちを理解したいとき…。こうした名作マンガは、私たちの心に寄り添い、時に勇気を与えてくれるでしょう。
あなたのお気に入りの1冊が見つかりますように。そして、その感動体験をぜひ大切な人にも共有してみてください。