あなたは、この世で一番高価な物質と聞いたらなんと答えるでしょうか?
ダイアモンド?
いいえ、違います!地球上にはダイアモンドより高価なものがあるのです!
今回は、世界で最も高価な物質ランキングをご紹介します。
実際に市場に出たらと仮定した価格でランキング付をしています。※1ドル=113円
また、金の価格と比較してどれくらいかも出しています。
世界で最も高価な物質ランキングTOP10
まずはTOP10〜6位までを一気にご紹介してから、TOP5をじっくりご紹介します。
世界で最も高価な物質ランキングTOP10〜6位
第10位 LSD幻覚剤 約34万円/グラム
第9位 プルトニウム 約45万円/グラム
第8位 ターフェアイトTaaffeite 約226万円/グラム
第7位 ベニト石 約283万円/グラム
第6位 トリチウム 約339万円/グラム
第5位 ダイヤモンド 約621万円/グラム
第5位は、冒頭で高価なものの例として挙げたダイヤモンドがランクインです。
グラムあたり621万円です。
高価なもの=ダイヤモンドというイメージありますよね?
見た目はとても美しいですが、実はかなり単純な作りをしていて、ほぼ100%が炭素で出来ています。
ちなみに、名前の由来は古代ギリシャ語の『アダマス』で『征服できぬもの』と言う意味。また、当時は神々の涙と信じられていたようです。
第4位 カリホルニウム 約2.8億円/グラム
4位はカリホルニウムで約2.8億円/グラム
カリホルニウムは、1950年に初めて作られた合成物質です。
キュリウムに高速のアルファ粒子を照射することで作られました。
そのため、自然界で形成されることはない物質です。
すでに実用化されている物質であり、合成もされていますが、希少性非常に高いです。
非常に危険な物質ではあるが、一般的な放射線治療ではあまり効果がなかった脳腫瘍や子宮頸がんの治療に利用されることがあります。
ちなみに、カリホルニウムの名前の由来は、カリフォルニア大学の放射能研究所で作られたことからです。
第3位 フランシウム 約1,130億円/グラム
3位はフランシウムで約1,130億円/グラムです。
『フランシウム』は、地球上で最も希少性の高いアルカリ金元素です。
なぜ貴重なのかと言うと、フランシウムは放射性物質ですが、半減期が他の放射性物質と比べて22分と極端に短く、常に崩壊を繰り返している物質です。
そのため、地殻中に20〜30グラムほどしか存在しないと言われています。
また、そのような特徴から観測する機会も多くないため、有効活用する具体的な方法すら見つかっていないため、実用化されていません。
第2位 バックミンスターフラーレン 約170億円/グラム
2位はバックミンスターフラーレンで、1グラム当たり170億円です。
バックミンスターフラーレンは、炭素で構成されてふいる『20つの六角形』と、『12の五角形』からなる20面体です。
サッカーボールのような分子構造をしているのが特徴。
基本的な元素は反応しないまま保管しておける特徴を持っており、うまく利用すれば、絶縁体、伝導体、半導体、超伝導にまで利用することができるとされています。
こういった理由からこのような高額な価格となっています。
ちなみに、名前の由来は、この分子構造とよく似ているジオデシクドームの考案者のリチャード・バックミンスターフラーから。
第1位 反物質 約7,087兆円/グラム
ぶっちぎりの1位は、『反物質』です。
金額は、グラムあたり約7,087兆円
この『反物質』ですが、ちょっと説明が難しいとものです。
『反物質』とは何かを知るためには、その前提として『物質』についての一要素についてご説明しないといけません。素粒子についてです。
物質の最小質量は、素粒子です。
その素粒子は、一般的に『粒子』と『反粒子』が対になって存在しています。
違いは符号だけで、粒子がマイナス、反粒子がプラスです。
そのため、この『粒子』と『反粒子』は出会ってしまうとプラス、マイナスで打ち消しあい消滅してしまいます。
さて、この『粒子』と『反粒子』ですが、私たちとどのような関係にあるかというと、私たち生命や、身の回りのもの、宇宙に存在する全ての天体などは、『粒子』で構成されている『物質』です。一方、『反物質』で構成されたものこそ『反物質』です。
長い前置きが終わりました。それでは、『反物質』はどこに存在しているのでしょうか?
その答えは、理論上は存在するが、『存在しない』、もしくは『見つかっていない』です。
なぜかと言うと、上記でお伝えしたように、反物質は物質と出会うと消滅してしまうためです。そんなことは今までの歴史で観測されていません。
また、物質と反物質は理論上は対に存在します。しかし、自然には物質しかありません。
なぜ、自然は反物質で作られなかったのか、その理由についてはわかっていないようです。
反物質は現在、粒子加速器で作ることができますが、物質と出会うと消滅してしまう性質によって普通の方法では、保存ができません。電磁界の中であれば多少保存がききますが、それでも最長で405日とされています。
仮にこの『反物質』を操ることができるようになると、2京5000兆キロワットにも及ぶエネルギーになると言われています。
主な用途としては、宇宙船の推進力や、スパコンの動力をはじめとしたIT機器の処理に利用できるので、科学の進歩になると言われています。
冒頭の金額は、NASAが1999年に見積もったものです。