不老不死?タイムトラベラー?サンジェルマン伯爵の真相とは?
歴史上、類を見ないような謎に包まれた人物
「サンジェルマン伯爵」を知っていますか?
その老いを感じさせない証言から「不老不死」とも、その神出鬼没さから、タイムトラベラーとも言われた人物。
彼の正体は一体何者なのでしょうか?
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不老不死と言われる真相
サンジェルマン伯爵が、不老不死と呼ばれる理由は、大きく分けて二つあり、それは、彼の歴史上のさまざまな時代や場所へ行ったとする話の詳細さと、それを裏付けるさまざまな不思議な技術の知識です。
さまざまな時代の記憶
サンジェルマン伯爵の記録がしっかりと残っているのは、18世紀のフランスだと言われています。
齢にして40代。体型は小柄で細身。
白を基調にいかに派手に見せるかというのが流行っていた時代であったのですが、黒系の目立たない色でまとめた服を好んでいたといいます。ただ、それがよく似合っていて、かえって目立ったそう。
物腰は柔らかで誰に対しても、好印象だったという雰囲気は、英国紳士。
しかし、そんな彼から発せられる「物語」は常軌を逸するものでした。
それが、
■十字軍に参加したことがある
■ソロモン王に会った経験がある
■シヴァの女王にあった事がある
■アレクサンダー大王と時間をともに過ごした
■キリストと会った事がある
■ありとあらゆる楽器を演奏することができる
■バビロンの都を見たことがある
■キリストが起こした最初の奇跡である「カナの婚宴」を実際に見た。
■そして、その後のキリストの復活も見たことがある
■シーザーのローマ凱旋は素晴らしかったと語る
普通であれば、こんなことをまじまじと話す人を人々は見向きもしないであろうが、サンジェルマンは違ったようで、その語り口調は「本当」に体験をしたような印象だったとされ、なんとも言い難い魅力があったそうです。
このことがきっかけで彼は「不老不死」と言われるようになったそうです。
※実際に自分でも死ぬことが出来ない人間と言っている。
不思議な知識と、未来の技術
さらに、サンジェルマン伯爵が不老不死ではないかということに拍車をかけたのが、その知識です。知り合いの王族や貴族たちも注目したそうで、王や貴族たちはサンジェルマンから不老不死の秘密を聞き出そうとしたが、サンジェルマン伯爵ははぐらかすばかりだったという。
経験豊富で芸達者
どんなに、話がうまくて、知識があってもここまで不老不死として噂になることは異常です。にも関わらず、ここまで彼が不老不死と言われた原因は、実際に芸達者であったのも影響しているでしょう。
上記のような話が「あり得るのかな?」と思わせるほどのスキルをさまざま持っていたと言われている。
■バイオリンの技術は超一流であった。
■作曲も出来た
■発明されて間もないピアノも弾くことが出来た
■化学や錬金術に精通して、不老不死の著作も出したと言われる
■画家でもあり、不思議な色を調合した
■汽車と汽船の技術と存在を知っていた?(まだこのころは、発明すらされていない)
特に、驚きなのが、「錬金術」です。
かつて、あのカリオストロが所有していたとされる、18世紀の実在の秘伝書『La Très Sante Trinosophie』の作者であるとも言われています。(諸説あり)
ダイヤの傷を消す技術!
有名な話が「ダイヤの修理」にまつわるものです。
ある王にサンジェルマン伯爵は
「私はダイヤの傷の消し方を知っている」と言い放った。
興味をもった王は6000フラン相当の傷ついたダイヤを渡した。
そして一ヶ月ほど後、サンジェルマン伯爵は傷を消したダイヤを王に献上したという。
王は、驚きその技術を認めざるを得なかったという。
ここで反論として挙げられるのは、「新しいダイヤを入手して王に渡した」なんてこと。
この時代にも、これだけ大きなダイヤを新しく入手するのはなかなか難しい。しかし、サンジェルマンの財力であれば不可能では無い…ということでどちらか分からない。
そんな、不思議な技術と話術で、王族や貴族は彼を信用してしまったという。
サンジェルマンの出自
サンジェルマン伯爵は全てが謎に包まれている存在ではありません。
出自は意外とはっきりとしていてスペイン王妃マリー=アンヌ・ド・ヌブール (Marie-Anne de Neubourg) と貴族メルガル伯爵 (comte de Melgar)と の子供とされています。
その為、高い教養と知識を身につける事ができたと言われています。
彼が、不老不死であるかはどうであれ、普通であればありえない事を信じさせるだけの知識は、この出自が少なからず影響しているのは間違いはなさそうですね。
タイムトラベラーかほら吹きか真相は?
ここまで謎に調べれば調べるほど謎が深まるという人物も珍しいと思います。
あろうことか、本当に不老不死であったのかとロマンを感じるほどにです。
それ以外に考えられるとすれば、「タイムトラベラー」だったのかということでしょう。
それを、裏付けるエピソードとして、彼は現れた時代よりも後に生まれた蒸気船、汽車、飛行機などについて知識があり、私(サンジェルマン伯爵)は今後その発明に携わらなければならないと語っていたと言われています。
サンジェルマン伯爵は亡くなった?
不老不死であると言われるサンジェルマン伯爵であるが、亡くなったという説もあります。
1766年、プロイセンの王フリードリヒ2世の庇護を受けるも、1784年2月27日亡くなったと記録されている。93歳であったと伝えられています。
しかしこれは確定的なものでは、無い。
その後にもフランスで幾度も目撃をされているという。
サンジェルマン伯爵の逸話まとめ
どのような人物だったのか?どんなことをしていたのか?
どんな人物であったのかということを、確認するには、第三者の証言というのが1番信ぴょう性があるでしょう。
それでは、ここからが本番!彼の逸話を紹介します。
若いころの経歴を知るものがいない。
いつの時代も40歳から50歳であるとされる。
その知識を知りたいと思った王族たちは、なんどもそのことについて聞いたという。
食事は丸薬とパンのみ
イギリス王リチャード1世が食事に誘ったところ、サンジェルマン伯爵は「自分は不老不死なので、この丸薬とパンしか口にしないのです」と断ったという。事実、彼が食事しているところを見たものはいないと言われている。
語学に堪能
英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ギリシャ後、ラテン語、サンスクリット語、アラビア語、中国語など12カ国語を操った。
世界各地に目撃情報
なかでも有名なのが、日中戦争である。
テレパシー?を持っている
人に尋ねられる前に、その質問を理解できる、つまり「君の疑問の答えは〜」と言ったようにテレパシーのような能力を持っていたとされている。
未来の知識持っている
サン・ジェルマン伯爵より後の時代に発明された蒸気船、汽車、飛行機などについて、彼は見てきたように詳しく語ったという。
さらには、蒸気機関を作成する知識もあったと言われている。
弟子にはゲーテがいる
皆さんご存知可と思いますが、ゲーテとはドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者(色彩論、形態学、生物学、地質学、自然哲学、汎神論)、政治家、法律家。ドイツを代表する文豪であり、小説『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広い分野で重要な作品を残した。
1710年作曲家ジャン=フィリップ・ラモー証言
「彼は不思議な人物だ。何度か彼に会った事はあるが、いつ見ても同じ年齢のサンジェルマンだった。40歳〜50歳くらいに見えるが、それよりも若いかもしれない。彼の話は面白く、話していると時間を忘れてしまう。」
1750年ルイ15世の証言
オーストリア大使にフランスに今サンジェルマンという奇妙な男が来ているので、会ってみては?と提案されたので、暇だったルイ15世は 実際にお会うこととなった。
当日、ルイ15世の前に現れたのは、やはり40歳〜50歳の身なりのきちんとした男だったという。
サンジェルマンはルイ15世にお辞儀をするとポケットからテーブルにバラバラと何かを置いた。すべてダイヤモンドだったという。
ルイ15世は「それは自分でどこで買って来たのか?」と効くと
サンジェルマンは「自分で作ったものです。陛下への贈り物です。」と言ったという。
これにルイ15世は非常に気に入り、サンジェルマンをかわいがったという。
1750年ジョルジ伯爵夫人の証言
同じような内容の証言をしているのが、ラモーと同じ時期に一度サンジェルマンと会った人物ジョルジ伯爵の夫人である。その時のサンジェルマン伯爵の年齢は40歳〜50歳ごろに見えたと証言している。
40年後に彼女は、再びサンジェルマン伯爵に会ったという。その時の年齢も40歳〜50歳だと証言している。夫人は「40年前にベネチアにお会いしてから全く容姿がかわりませんね」と尋ねたところ、サンジェルマンはその時「変わらないように見えますが、実は非常に年を取っているのですよ」と答えたとのこと。
1710年の際に、40歳だとすると、1750年では、80歳という事になる
1760年哲学者ヴォルテールの証言
哲学者ヴォルテールがフリードリヒ2世に送った手紙の中で、サンジェルマンのことを書いた部分がある。「不老不死で、この世のすべてを知っている人物である」と伝えている。
1760年ごろニコラシャンホールの証言
サンジェルマンの使用人に対し「主人は2000歳なの?」と聞いたところ、「それは、 わかりません。私はまだ300年しか使えてないからですからね」答えたという。
何故ここまで不老不死の伝説が受け継がれているのか?
サンジェルマン1人では無い説
サンジェルマンとは特定の個人を指すものではなく、いわば世襲制でその次代その次代の優秀な人物に前代までのサンジェルマンの知識を継承しているという説
実際に、サンジェルマンはスパイとしての活躍もあったと言われています。
本当に1人で特殊なテロメアを持っていた説
スコットランドの学者が唱えた学説で動物の細胞は細胞分裂をする際に、細胞の両極にあるテロメアという部分が少なくなっていく。コレが老いであるが、サンジェルマンには、それが無かった為に、長生きかつ老いが見られなかったのだという説。
実は日本にも来ていた
日本にもいくつか目撃情報がある。1番多いのが、1984年前後のとある県。1987年ごろまで滞在し、母国に帰ったという。
サンジェルマン伯爵は果たして何者だったのか?
そんな疑問に答えられる者はおそらく居ない。
そんな彼の最後に残っている言葉でしめくくろう。
「私は君たちと別れなけれはならない。たぶん、もう一度会えるだろう。まずコンスタンティノーブルへ行くのだ。私を必要としている人たちのためにね。それから英国へ行って、次の世紀のために、二つの発明の準備をしなければならない。汽車と汽船だ。季節は少しずつ変るだろう。まず春がきて、それから夏だ。私にはそれが分っている。天文学者も気象学者も、何も解ってやしないのだ。私の言うことを信じたまえ。私のように、ピラミッドを研究する必要があるのだよ。今世紀の終り頃、私はヨーロッパを去って、ヒマラヤ地方へ出かけるつもりだ。少し休みたいのでね。八十五年後の今日、もう一度私に会えるはずだ。では君たち、さようなら……」
こうして彼が最後の言葉を語り終えると、突如、一天にわかに掻き曇って、轟然たる雷雨が起った。二人の友人がびっくりして顔を見合わせていると、ふいに伯爵の姿は見えなくなってしまった、ということである。