魅力的なスコッチウイスキーの特徴と歴史
世界で人気の世界五大ウイスキー(スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、ジャパニーズウイスキー、カナディアンウイスキー)の中で、最も知名度が高いのが、このスコッチウイスキーでしょう。
「007」シリーズの「スカイフォール」ではマッカランというスコッチが、スパイゲームでも銘柄はわかりませんが12年のスコッチウイスキーと映画にも多く登場する機会があるウイスキーです。
また、イギリスの主要な輸出品目の1つであり、輸出先国は200国を超え、総額は日本円で6000億円にもなります。
その特徴と言えば何と言っても独特のスモーキーフレーバーです。
こちらでは、世界中を魅了するスコッチウイスキーの魅力と歴史をご紹介します。
スコッチウイスキーの歴史
スコッチウイスキーの伝来
スコッチウイスキーが伝来したのは、12世紀ごろにお隣のアイルランドからと言われています。
※ちなみにこの時同時にキリスト教も伝来していると言われています。
スコッチウイスキーの関する記述で最も古いものは、1494年のスコットランドの財務局の記述です。
それは、aqua vitae(アクアヴィテ)というラテン語で直訳すると生命の水という意味です。こちらに関しては下記の記事をご覧ください。
当初、スコッチウイスキーは医薬品として扱われ、修道院が製造を独占していましたが、16世紀の宗教改革がきっかけで、修道院が解散したことで、一気に一般市民に浸透していきました。
しかし、この時期のウイスキーの製造方法には熟成、蒸留という工程がありませんでした。
そのため、当時のウイスキーは無色透明で、スコッチウイスキーと言って思い浮かぶ芳醇な香りや琥珀色が無かったのです。
スコッチウイスキーの進化
17世紀に入るとスコットランドはイングランドに併合されます。
するとイングランドはスコッチウイスキーの価値に目をつけ高額な税率をかけるようになりました。
スコッチウイスキーの製造者は高額の税金を支払いたく無いと、樽にウイスキーを詰め、山奥に隠すという手段で役人の目から逃げようと考えました。
その苦肉の策が、今現代で愛される芳醇な香りや琥珀色を生み出したのです。
こちらについて詳しくは下記の記事に記載しています。
スコッチウイスキーの繁栄
ジョージ4世の時その転機を迎えます。
それは、ジョージ4世は「ザ・グレンリベット」を愛飲していたという事実です。
ザ・グレンリベットは、他のウイスキーと同じように、当時は密造酒でした。
国は王が密造酒を嗜んでいるということはマズイと考えて、1823年酒税法を改定し税率を下げるという決断をします。
この税率が下がったことで、隠れてウイスキーを作っていた業者も堂々とウイスキーを作るようになります。
さらに、このことがきっかけで、ザ・グレンリベット蒸溜所が政府公認の蒸溜所なります。
これを皮切りに次々と政府公認の蒸溜所が誕生するにまでに至りました。
現在スコッチウイスキーが人気の理由
現在、スコッチウイスキーが人気の理由は第二次世界大戦の際、イギリスがウイスキーを積極的に輸出したことが挙げられます。
輸出相手は主にアメリカです。
この影響で、アメリカ国内でスコッチウイスキーが大人気になり1950年頃には更に輸出が増えました。
このことが影響して、今のスコッチウイスキーの人気が作られました。
スコッチウイスキーの種類と産地
スコッチウイスキーにはモルトウイスキー(麦芽)とブレンデットウイスキーがあります。
モルトウイスキーとは?
モルトウイスキーは麦芽のみを使用している香り高いウイスキーです。
麦芽を発酵させ基本的に2回蒸留させたものになります。
例:カリラ、アードベック、スキャパ
ブレンデットウイスキーとは?
ブレンデットウイスキーはモルト(麦芽)から作られたモルトウイスキーと、トウモロコシやライ麦を原材料としたブレーンウイスキーをその名の通りブレンドして作られたウイスキーです。混ぜる種類は問いません。多くのモルトが混ざっているものも多いです。
そのため、ブレンデットウイスキーはモルトウイスキーよりも香りや味が落ち着いています。
例:ジョニーウォーカー、バランタイン17年
スコッチウイスキーの特徴といえば?
スコッチウイスキーの魅力と言えば、その独特な香りスモーキーフレーバーです。
これは、俗に「ピート香」と呼ばれ、原料のモルト(麦芽)を乾燥させる工程で、ピート(泥炭)を燃やしているのですが、その際に麦芽が燻されてつく香りです。
モルトウイスキーの方がこのピート香が強く、ブレンデットウイスキーはこの香りが調整されているため飲みやすく人気が高いです。もちらん、ピート香が好きという方にはモルトウイスキーの方がオススメできるかと思います。
キーモルトを知ってもっとスコッチウイスキーを楽しもう!
キーモルトという言葉を知っていると、さらにスコッチウイスキーが楽しくなるかもしれません。
キーモルトとは、一つのブレンデットウイスキーの中で大部分を占めるモルトのことです。
キーモルトは、そのブレンデットウイスキーの香りや味わいを決める根幹、土台と言っていい重要な役割を果たしています。
ここで、面白いのがこのキーモルトとなるモルトウイスキーの中には、シングルモルトウイスキー単体としても売り出されているものがある点です。
例えば、バランタイン17年は「魔法の7柱」と言われるようにキーモルトが7つあるのですが、その中には、「アードベック」や「スキャパ」のように単体でも人気のシングルモルトウイスキーが配合されています。
他にもジョニーウォーカーというウイスキーのキーモルトは「カリラ」というアイラ島で作られる人気のシングルモルトウイスキーが使われています。
ブレンデットウイスキーを飲んで、「これには、あのモルトウイスキーが使われてる!」というようにはなかなかなりませんが、知ってから飲むと、また一味違うかも知れません。
スコッチウイスキーのオススメの飲み方
スコッチウイスキーのオススメの飲み方はロックかストレートです。
ピート香のような独特な香りや芳醇な香りを楽しむにはやはりロックかストレートがいいです。
ただ、ロックやストレートだとちょっときついなと感じる方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、ソーダ、もしくは水を入れてみましょう。
匂いが強いアイラモルトなどはソーダがオススメです。一方、ライトな味わいのローランドモルトなどは水を加えると甘みが増し飲みやすくなります。
最後に…スコッチウイスキーは日本人に合っている
ちなみに、山崎や白州のようなジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーを参考に作られているため、海外のウイスキーのなかでは日本人の感覚と喉に合うウイスキーと言えます。