スコッチウイスキーの主要産地は6つあります。
その中でも本記事ではハイランドモルトについてご紹介します。
ハイランドってどこ?
ウイスキーの名所ハイランドですが、場所はと言うとスコットランドの北部です。
グランピアンを始め山々が多く、水も綺麗なのでウイスキー作りの環境にはぴったりです。
地域的には大きく、実はもともとスペイサイドというスコッチウイスキーの主要産地も含んでいます。
近年では、スペイサイドは独立した産地と認められてきたので、別ものと考えられています。
ちなみに南部は、これもまたスコッチウイスキーの主要産地の一つであるローランドと言われます。
さて、スペイサイドも含む大きな地域のハイランドですが、その大きさ故にウイスキーの特徴も主に四つに分けられます。
・北ハイランド
・南ハイランド
・東ハイランド
・西ハイランド
それぞれ特徴がありますので一つずつご紹介します。
北ハイランドをレビュー
北ハイランドはハイランドモルトウイスキーの蒸溜所が最も多いエリアです。
しかも、歴史ある有名な蒸溜所も多く今尚人気の銘柄も多いです。
ちなみに、ネッシーで有名なネス湖もここにあります。
味わいは、バランスのとれたものが多い印象です。スコッチウイスキーらしい芳醇な香りは残しつつ、クセも強すぎないウイスキーです。
強いていうのであれば、キレがいいです。
オールドプルトニー
スコットランド最北端にある蒸留所が作る、輝く琥珀色が特徴のウイスキーです。
香りはフレッシュでフルーツ感が強いです。
口に含んでも柑橘系の香りはありますが、塩っ気が少しあります。
ハイボールがオススメです。
グレイモーレンジィ オリジナル
特徴はハイランド地方の湧き水と、スコットランド産の大麦で作られた純国産というところです。
また、樽のパイオニアと言われており、熟成にオーク樽を初めて導入したことで知られています。
香りはフレッシュな柑橘系のフルーティさがあり、味わいは繊細で万人ウケします。なので、初心者にもオススメできるウイスキーです。
ダルモア
ボトルが特徴的で、立派な角を持った雄鹿がデザインされています。
色は赤褐色で、口に含むとレーズンのような香り、その後にバニラのような甘さがあります。
クセは強くありません、少し重いのが好きという方にオススメです。
トマーティン
3回樽を入れ替えるのが特徴のウイスキーです。
バーボン樽に熟成した後、アメリカンオーク樽で熟成させます。さらにその後に、シェリー樽で熟成させて完成です。
香りは、シェリーの甘い香りが強く芳醇です。また、バーボンの爽やかさ、オーク樽の香ばしい香りが後から感じます。
味わいもシェリーのような甘さがあり、全体的に飲みやすいウイスキーです。
クライヌリッシュ
ボトルは山猫が描かれています。猫とはいっても少し怖めです。
色は薄いゴールドです。
香りは芳醇な熟したフルーツのように感じます。
口に含むと、クライヌリッシュの代名詞とも言える、爽やかなマスタードのようなスパイシー香りが鼻を抜けます。
また、かすかにスモーキーさと、洋梨のような上品な味わいがあります。
食前食後いつでも合うウイスキーです。
南ハイランド
名称の通りですがハイランド地方の南側で、これより下に行くと、先述の通りローランド地方になります。
味わいは、ローランドの影響も少し受けているのか軽やかでライトです。ただ、香りは甘いものもあり、チョコやミルクを感じさせるものもあります。
エドラダワー
南ハイランド産のウイスキーです。
香りは、お菓子の少し焦げたカラメルのような甘さを感じられ、木を燃やした香りも感じられます。
口に含むと、オイリーでクリーミーです。シェリー樽で熟成しているからか、シェリーの香りが強く感じられます。独特の味わいですが、後味もよくバランスもいいです。
グレンゴイン
グレンゴインの生成で最も特徴的なのは、スコットランドで最も時間をかけたウイスキー作りをする点です。
色は琥珀色のウイスキーです。
ノンピートなので、ピート香はありません。そのかわり、青リンゴ、アロマ、オークなど様々な香りを感じることができます。
東ハイランド
スコットランドの有名都市であるグラスゴーや、名門大学エディンバラ大学を擁するエディンバラがこの地域に当たります。
味わいは、歴史ある都市が多いからか上品なものが多くフレッシュでフルーティです。
また、ほとんどの蒸溜所が海沿いにあるため、ほんのりと潮風の香りがするウイスキーが多いです。
ロイヤル・ロッホナガー
イギリス国王のビクトリア女王が気に入り、女王自らが「ロイヤル」の名を許した蒸溜所で作られたウイスキーです。
口に含むとシナモンのような甘みが広がります。その後には、ピリッとするスパイシーさがあります。
後味はさっぱりとしているのでアルコール感もなく、飲みやすいです。
全体的に上品な甘さが楽しめる一本です。
アバフェルディ
アバフェルディは南ハイランド産で、デュワーズというスコッチで有名なデュワーズ社のウイスキーです。
口に含むとすぐにハチミツの香りと、クリームブリュレのような甘みを感じることができます。あとから、柑橘系の香りが追ってきます。
味わいは基本的に甘く穏やかな印象です。
西ハイランド
スコットランドの最高峰「ベンネヴィス山」周辺の地域のことを指します。
とくに、登山家で賑わう地域です。
特徴は何と言ってもベンネヴィス山の雪解け水です。麓に流れていくに従って、自然ろ過された雪解け水で作るウイスキーは絶品です。
蒸溜所自体は少なく、現在はベンネヴィスとオーバンのみになっています。
味わいはフルーティでありながら後味はスパイシーでスッと消えます。
ボディは重すぎず、軽すぎず。
磯の香りがほんのりするものが多いです。
代表的な銘柄
オーバン
1794年に操業された蒸溜所で作られたウイスキーです。
色は透き通ったオレンジ色です。
香りは、全体的に柑橘感が強く、口に含んだ後も同じくライムのような柑橘感を感じます。その後には、ハチミツのような甘みが追ってきます。
甘しょっぱいバランスが取れたウイスキーです。
最後に
スコッチウイスキーの主要産地の中で最も広い地域を指すハイランドは、その土地の文化や歴史を受け継ぎながら、個性を出していく蒸溜所が多いので面白いかと思います。
どんな地域であるのか調べてから飲んでみると、また違った味わいを感じられるかもしれません。
ぜひ試してみてください。