スコッチウイスキー

アードベッグ10年のオススメのレビューとオススメの飲み方 味わいと歴史

アードベッグは、スコッチウイスキーの中でも個性的なウイスキーが多い、
アイラ島の南側にある岬で作られるウイスキーです。

この記事ではそんなアードベック蒸留所のウイスキーについてご紹介をします。

ちなみに、アードベッグという言葉自体は、現地のゲール語で「小さな丘」という意味です。

アードベッグの味わい

香りは、スコッチらしくピート香が強く、
また、土地柄からか潮風の匂いも加わり、かなり癖の強い匂いがあります。
スコッチは癖が強いものが多いですが、アードベックはその中でもTOPクラスです。
しかし、味は青リンゴや洋ナシのようなフルーティな香りと甘みがあり爽やかです。その後に、スモークの匂いを感じられます
そんな、クセの強さと爽やかさの二面性が楽しめる味わいが特徴のウイスキーです。

フェノール値(ピート香)高い!

アイラウイスキーの魅力の1つとして、スモークさが感じられるピート香があります。
これは、ウイスキーの製造の工程で、大麦を釜で乾かす際に燃料として使われる
泥炭(ピート)の香りが、大麦に付着することで実現されるものです。

ピート香の数値として確認ができるのが、フェノール値というものです。
「ppm」という単位で表されますが、高いほど「スモーキー」に感じられます。

この数値が10程度でスモークの香りが感じれ、
40ppmを超えると強いスモークの香りになってきます。
アードベックはこの数値が55から65ppmとかなり高いことがわかります。
アイラの王様と言われる、ラフロイグも50~60ppmということからも
その癖の強さがわかります。

冷却濾過は行わない!

また、アードベッグは、ウイスキー作りで本来行われる冷却濾過が行われていません。
樽で熟成すると、中のウイスキーの不純物などが沈殿します。一般的なウイスキーは、これを取り除く為に冷却濾過を行います。

しかし、沈殿物の中には、ウイスキー本来の香り成分や旨味の成分も残っています。
冷却濾過は、その沈殿物に含まれている、ウイスキーの香りの成分や旨味の成分を取り除いてしまっているのです。
なので、アードベッグはあえて、「ノンチルフィルタード」という沈殿物を残し、香り成分を取り除かないという選択をしました。

アードベック発酵槽

オレゴンの松(ベイ松)を使った樽で発酵がされます。
そのため、特有のウイスキーの深みが増します。

アードベックの仕込み水

アードベックは仕込みの水にもこだわっています。
それがウーガダール湖の水です。

この湖の水は、ピートの地層を通ってきた水であるため、黒っぽい色をしており、
もちろん、ピート香が付着しています。
これを、仕込みの水に使うことでスモーキーな味わいを仕上げています。

また、ラベルも非常にかっこよくて洗練されています。広告も上手で思わず手に取りたくなるデザインです。

アードベックの歴史

1815年に、アイラ島南部の海岸沿いに、ジョン・マクドーガルによって、アードベッグ蒸留所は建てられました。
大西洋の荒波が、強く押し寄せる海岸沿いに、ポツンと立っているのが特徴的だったらしいです。
そんな、蒸溜所の様相から「小さな岬」「小さな丘」という意味であるアードベックと名付けられました。
それ以来多くの人が愛飲してきたウイスキーです。

しかし、歴史を見ると結構波乱万丈で、操業が二度停止しています。
オーナーもコロコロ変わっていて、ウイスキー蒸留所であるカナディアンクラブとグレンモーレンジにも買収されたことがあります。それだけオーナーが変わってもなかなか経営が安定せず、20~30年前までは潰れる寸前とまで言われていました。

その時に現れたのが、今のオーナーLVMHです。
非常に大きなフランスのパリの企業で、この企業が持っているブランドを一つも知らないという人はいないでしょう。
ファッションで言えば、ルイヴィトン、ディオール、フェンディ、モエ。
お酒で言えば、ドンペリ、モエシャンドン、ヘネシー、ヴーヴーなどなど。
今、アードベッグが出回っているのはLVMHの経営能力という点が大きいです。

実際に、アードベックは、ほぼ毎年新作を出していて、動きが多い銘柄と言ってもいいでしょう。


オススメの飲み方

アードベッグは、独特のピート香と青リンゴやオレンジのような爽やかな味わいがある非常にデリケートな味わいを持っています。この二面性を楽しむために、

まずは常温のストレートや、ロックで飲んでみることをオススメします。

ロックでもアルコールがキツいかなという場合には、ウイスキーと同量の水を入れる飲み方の「トワイスアップ」で楽しむことをオススメします。香りが広がり、複雑な香りがいくつも感じられます。
「ハイボール」で楽しむのもいいですが、割るのは強めの炭酸である方が、香りが強く感じられるのでおすすめです。

アイラ島で作られるスコッチウイスキーはクセがかなり強く、ハマると抜け出せないという人も多いです。その中でも特に、アードベッグは香りと味のバランスが良いと思います。
一度口にすれば、良くも悪くも絶対に記憶に残る味を楽しめます。
是非一度試してみてください。

ちなみに、コンスタンティンという映画でキアヌ・リーブスが、この蒸留所のスタンダードボトルである「ArdbegTEN」を飲んでいるシーンがあります。

アードベッグ蒸留所のウイスキー

アードベッグ10年


バーボン樽で10年以上熟成した原酒をヴァッティングした一本です。
本来ウイスキーの製造において行われる冷却濾過が行われていません。その為、原酒の成分が濃く残っている部分があるので、多少濁りがあるかもしれません。

【色】

キラキラした薄いゴールドです。

【ボディ】

フルボディです。

かなり重めに感じます。

【度数】

度数は46度です。

【香り・味わい】

口に含むとアイラ・モルト・ウイスキーらしく強いピート香とヨードの香りがあります。それでいて、潮風の匂いが漂います。
ボディは重く強烈なインパクトを与えます。

その後には、フルーティな青リンゴのような、洋ナシのような爽やかさがあります。また、かすかにバニラの風味もあります。

2008年にWorld wisky of the yearを受賞しています。

【フィニッシュ】

最初は強いピート香とヨードの香りがありますが、その後にはフルーティな爽やかさが香る二面性が特徴です。

アードベッグ・アン・オー

【色】

透き通るようなゴールドです。

【ボディ】

ミディアムボディです。

アードベックの中では軽めです。

【度数】

46.6度

【香り・味わい】

バーボン樽とアメリカンオーク樽のオロロソシェリー樽で熟成させた3つの原酒で作られるノンエイジのウイスキーです。アルコール度数は46度です。

アードベッグ10年と比べると、ピート香やヨードの香りは角が取れて、なめらかでクリーミーでハチミツのような甘さでありながら、オレンジのようなフルーティな甘みが感じられます。また、後味はスパイシーで旨味が強いです。
まろやかさとフルーティさとスパイシーさが見事に溶け合うウイスキーです。

【フィニッシュ】

濃厚でスパイシーでスモーキーな後味です。

アードベッグ ウーガダール

【色】

ゴールドです。少し濁っているように見えました。

【ボディ】

フルボディです。

アルコール度数も高いので、かなり重く感じます。

【度数】

54度

【香り・味わい】

バーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成させた、2つの原酒をヴァッティングして作られるウイスキーです。

アイラモルトらしいピート香とスモーキーさとシェリー樽の甘美な香りが絶妙に混ざり合う味わいは絶品です。

アードベックらしいスモーキーとスウィーティーさが楽しめる1本になっています。

2009年にWorld wisky of the yearを受賞。

【フィニッシュ】

かなり飲みごたえのあるアードベックです。

最後まで、ヒリヒリとした感覚が口に残ります。

また、アイラモルトらしいスモーキーさも長く続きますが、キャラメルのような甘さも顔を出します。

アードベック コリーヴレッカン

【色】

しっかりとじた金色をしています。

【ボディ】

フルボディです。

強いスモーキーさも相まってかなり重く感じます。

【度数】

57.1度

【香り・味わい】

THEアイラ。かなりスモーキーで、ピート香りとヨードの香りが口に広がります。

かなりスモーキーなので初心者にはオススメしません。反対に、ピートが強いものが飲みたいという方にはオススメできる1本となっています。

加水すると少しまろやかになります。

2010年にWorld wisky of the yearを受賞。

【フィニッシュ】

最後まで、上品なピート香が長く続きます。

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