スコッチウイスキーにはいくつか種類がありますがその中でも、一番クセのある産地といえばこのアイラ島でしょう。
この地域で造られるウイスキーはすべて超個性的で、ファンも非常に多いです。
こちらではそんなアイラモルトについてご紹介します。
アイラモルトとは?
アイラモルトはスコットランドのアイラ島で造られるウイスキーのことです。
日本でも有名なのは、アードベック、ラフロイグ、ボウモア、カリラなどがあります。
島であることが理由でもありますが、ほとんどの蒸留所が海に近いので「潮の香りがする」と言われたり、大麦を泥炭(ピート)を焚いて乾かすので、そのにおいが付いて「独特のピート香がする」や「スモーキー」とも言われます。
銘柄の中には、独特の甘さから「正露丸」なんて形容されるものもあります。
上記を見ればわかるかと思いますが、その超個性的な味わいから好き嫌いはかなり分かれます。アイラ島の各蒸留所は世間に媚びることはなく、この「クセ」にこだわっています。
しかし、一度はまったらアイラモルトしか飲まないという方も多くいるのも事実で、熱狂的なファンも多いです。
また、特徴的な味わいからシングルモルトだけでなく、ブレンデットウイスキーのキーモルトとして利用されることも多いです。
アイラモルトをブレンデットウイスキーにするとその特徴が良く活かされてアクセントになります。
日本で有名なものだとジョニーウォーカー黒やバランタイン17年があります。
アイラ島ってどこ?
アイラ島はスコットランドの西側に広がるヘブリディーズ諸島の南側にある小さな島です。
島自体の大きさは東京23区とちょうど同じくらいです。
しかし、人口は4000人を満たない程度でなので、かなりスカスカですね。
もちろん(?)ウイスキーの生産が主な産業になっています。
観光地としても人気で、古き良きスコットランドの街並みが残る自然豊かな島です。
また、アイラモルトを作るうえで欠かせない「ピート」と一般的に言われる泥炭がよく採れてこれにより独特の香りが造られています。
現在創業しているのは8箇所の蒸留所のみですが、個性的な銘柄多いウイスキーを語る上では外せない地域です。
アイラ島の気候
アイラ島の気候は、スコットランドの中では温暖で、過ごしやすいです。
雪も滅多に降らず、降ってもすぐに溶けてしまいます。
これは、メキシコ湾からの暖流や南風のおかげです。
ただ、大西洋からの偏西風の影響は大きく、強風が吹き付けることも多いので、そこだけ注意が必要です。
アイラ・モルト・ウイスキーが特徴的な理由
アイラ・モルト・ウイスキーはスコッチウイスキーの中でも群を抜いて、特徴的な味わいを持っています。
こちらでは、アイラモルトが特徴的になる理由をご紹介します。
アイラモルトに欠かせないピート(泥炭)とは何か?
アイラモルトの独特の香りを作っているピートというのは、ヒースといわれるコケや水生生物が炭化して堆積したものです。
平たく言うと、炭化が完全ではない石炭です。
スコットランドでは燃料としも扱われています。
中でもアイラ島では、このピートがよく採れウイスキー以外にも燃料などで利用されています。
ウイスキーでは原材料の大麦を乾燥させるという製造過程があります。アイラモルトはこの大麦を乾かす工程で、このピートで焚いて乾燥させます。
こうして、ピートの香りを浸透させた大麦を使うことで、ウイスキーに独特な香りがするようになるのです。
アイラモルトに利用される水
アイラモルトはウイスキー作りで使われる水も特徴的です。
一言で言うと「茶色い水」です。
汚いわけではありません。笑
先ほどのピートが堆積した地層を水が流れ、ピート層のタンニンが混ざり合うからと言われています。
こうして、ウイスキー作りに使われる水もピートの香りが付いているので、個性的なスモーキーさが追加されるのです。
蒸留所が全て海から近い
蒸留所が海から近いというのも、アイラモルトのクセを出す一つの要因です。
製造者が丁寧に樽詰めしたものを海沿いの貯蔵庫で熟成されます。
アイラモルトは口に含むと潮風の香りが鼻を抜ける味わいを持っています。
そんな味わいは、海沿いでじっくりと熟成が行われるからなのです。
アイラ・モルト・ウイスキーのオススメ銘柄
アイラモルトは世界的にはもちろん、日本でも大人気。
BARや酒屋で棚に並んでいないと言うところは皆無と言っていいでしょう。
こちらではそんなクセの強いアイラモルトの中でオススメの銘柄をご紹介します。
ラフロイグ10年
アイラの王と呼ばれるアイラモルトウイスキー。アイラ島らしく、ピート香とヨードの香りが強く、クセの強い複雑な味わいを楽しむことができます。
また、イギリスのチャールズ皇太子が大好きなことから、ウイスキーで初めてプリンスオブウェールズに認定された英国御用達のウイスキーとしても有名です。
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ボウモア10年
アイラの女王と呼ばれるアイラモルトウイスキー。アイラモルトらしいピート香はありますが、ラフロイグほど強くはなく、代わりにふわっとビターチョコレートのような甘美な甘さを感じることができます。
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アードベック10年
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カリラ12年
アイラモルト特徴とも言えるスモーキーさは、比較的軽めです。
その分、フレッシュなフルーティさと甘みが前面に出ている印象のウイスキーです。
しかし、徐々にスパイシーさが効いてきて、後味はドライ感が長く続くという特徴があります。上記のアードベックは男性的、こちらのカリラが女性的とも言われます。
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オクトモア
全シングルモルトの中、圧倒的に最強のピート香を持つのがこのオクトモアです。
まさにピート香の最到達点。
あえて多くは言いませんが、アイラモルトにはまってピート香が大好きという方は絶対オススメです。